秋家さとあきの活動報告

議会報告

平成29年 第1回定例会(2月23日)

【7】一般質問
(1) 協働について
(2) 新年度に向けた教育委員会の取り組みについて

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お許しをいただきまして、私は、さきの通告に従い、区長、教育長並びに関係部長に対し一般質問を行うものであります。 
 質問に先立ちまして、今回の一般質問から質問・答弁形式が変更になりましたことを申し上げておきます。 
 これまで、質問者は議員席に向かい、全ての質問を読み上げた後に理事者が答弁をするという形式でしたが、質問時間が30分以上にわたることもあり、我々議員もそうですが、傍聴されている方やインターネット中継をごらんになっている方々にとって、質問と答弁内容が伝わりづらいのではないかと考えておりました。そこで、各派の代表者で構成される議会運営委員会において検討を重ねてきた結果、いよいよ今定例会から対面方式による質問・答弁形式が行われるものであります。これに合わせ議場も一部改修し、一般質問をする議員は区長・教育長を初めとする理事者側に向かって大項目ごとに質問を行い、その都度、理事者から答弁をいただくという形式が実現いたしました。これにより、これまで以上に臨場感があり、我々議員も区民として気持ちのこもった質問ができるものと考えております。区民の皆様にも、さらに区議会に興味・関心を持っていただけるよう願いまして、質問に入ります。 
 初めに、区民や事業者との協働についてお伺いいたします。 
 区長は、基本計画全体を貫く理念に協働を掲げ、夢と誇りあるふるさと葛飾の実現に向けて取り組まれておられます。機会あるごとに区長自身が繰り返し協働の理念を語られることにより、さまざまな分野で区民や事業者との協働が活発に進み、区民の協働意識も向上し、広く浸透してきていると感じております。私も、葛飾区は協働の街といった声をいろいろな地域で聞く事が多く、このことは区民がプラス思考で協働を捉えてくれている証だと考えております。 
 一例を申し上げますと、私の住んでいる地域でも、江戸川土手や駅前広場、公園、歩道の植樹帯などに花を植えかえ、自主的に花壇管理する花いっぱい活動が盛んに行われています。活動されている担い手の皆さんは、自分たちの街をきれいに美しくしようとやりがいや生きがいを持って活動しており、四季折々の花が地域や来訪者の人々の目を楽しませています。また、新たにできる花壇に名前をつけようという活動も起きており、思い入れの深さを感じさせます。 
 さらに、事業者との協働においても、バス交通網の充実を図るためのバスの社会実験や、葛飾区医師会・歯科医師会や東京都行政書士会葛飾支部など業界団体との協定の締結、東京理科大学や東京聖栄大学との連携など、多くの分野で事業者との協働が進められ、夢と誇りあるふるさと葛飾の実現に向けて着実に成果が上がっているものと思います。 
 もともと葛飾は人と人とのつながりが強く、人情に厚い土地柄のため、区民の皆さんが地域活動に貢献したいという思いがあり、この協働の理念のもと区民の思いを実際の活動に結びつけられておられることを高く評価しているところであります。 
 少子高齢化の進展による社会情勢の変化などにより、今後もあらゆる分野において、地域での解決すべき課題が複雑・多様化してくるものと思います。そのためにも、区民や事業者との協働は重要なものであり、さらに深めていくべきものと考えます。 
 そこでお伺いいたします。区民や事業者との協働については着実に成果を上げてきておりますが、これまでの成果や今後の展開について、区長はどのような見解を持たれているのでしょうか。 
 次に、葛飾区公式協働ホームページ、葛飾みんなの協働サイトの開設について伺います。 
 先ほども申し上げたとおり、本区における協働の取り組みは大変重要であり、さらに前に進めていくべきものと考えておりますが、地域ごとに行われている協働の取り組みを点から面へと広げることにより、さらなるよい効果が得られるものと考えております。 
 例えば、花いっぱい活動においてコンクールが行われておりますが、このことは活動の優劣をつけることに意味があるのではなく、活動をしているのは自分たちだけではない、広く区内で行われているのだと担い手の皆さんに実感してもらうことができる方法の一つだと考えております。本年4月3日から運用を開始する、協働に関する情報を集約した、葛飾みんなの協働サイトには、担い手の皆さんに面としてそれぞれの活動を感じていただくことのできる新たな取り組みとして期待しているところであります。 
 特に、面として期待できることの一つは情報の共有であります。地域活動をしている各団体においては、現在、活動の担い手不足が課題になっていると耳にします。しかし、私は、必ずしも活動したい方が区内に少ないとは考えておりません。地域の中には、地域貢献活動したい気持ち、手伝いたい気持ちがあるが、それぞれの分野においてどのような活動が行われているかわからない、いつ、どのように参加したらよいのかわからないという方々も多くいらっしゃると思います。このサイトを通じて新たな担い手をふやすこと、また地域を支える担い手が集まりお互いの経験や専門知識を共有することができれば、地域活動をさらに発展させていくことができると考えております。 
 そこでお伺いします。この葛飾区公式協働ホームページ、葛飾みんなの協働サイトの導入目的と、どのように活用して協働を進めていくのか、お伺いいたします。 
 次に、花いっぱいのまちづくりについてお伺いいたします。 
 花いっぱいのまちづくりは、協働の事業の中でも区民の方々に最も身近に感じていただいている事業の一つであります。同時に、協働の広がりを実感しやすい事業でもあると思います。活動団体が相互に連携し、区と協働で花いっぱいのまちづくり活動を推進するために、かつしか花いっぱいのまちづくり推進協議会がつくられ、この協議会が中心となって花壇コンクールが開催されるようになりました。昨年は秋に開催されていましたが、このコンクールに向け丹精込めて花壇の手入れを行っているところです。 
 花いっぱいのホームページも立ち上がり、各団体自慢の美しい花壇が多数掲載されています。自分たちでアピールすることが苦手な団体の花壇については、花の写真を撮ったり、文章を書くことが好きな花いっぱいレポーターがボランティアで取材し、かわりにホームページで紹介したり、協働が別の形の協働を生んでおります。このことは、当初から想定していたものではなかったはずで、区民の皆様の力によって協働の輪を広げていただいたすばらしい成果だと感じております。 
 先ほども少し触れましたが、私の住む柴又でも、開通した都市計画道路補助283号線の一部に花壇が完成し、その花壇を、本区の友好都市であるオーストリア共和国ウイーン市フロリズドルフ区にちなみ、柴又フロリズ花壇にしようという機運が現在高まっており、それをきっかけに、283号線そのものもフロリズ通りと命名したらどうかと区に要望書を出すほど、活動意欲が高まっております。他の地域でも花壇に名称や愛称をつけているところもあると思いますが、さらに看板などを設置すれば盛り上がりを見せるのではないでしょうか。 
 また、この活動は自治体間の連携も深めています。本区は、昨年、区内の環境団体、川をきれいにする会の活動が縁となって、新潟県五泉市と連携・協力に関する包括協定を締結しましたが、その五泉市からチューリップの球根が区に3,000個送られてきました。この球根は、区役所の庁舎周辺だけでなく、活動団体が協働し学校や公園で大切に育てられています。球根の芽が伸びてきており、この春には区内各地で五泉市からいただいたチューリップの花をめでることができると楽しみにしています。五泉市も花の街ということで、この縁を大事にし、自治体間の協働についても進めていただければと思います。 
 花いっぱいのまちづくりは、景観をよくし地域の価値を高めるだけではなく、地域コミュニティーを活性化し、ふるさと葛飾に誇りと郷土愛を持つ区民をふやしていくものと期待しております。この活動で咲いた協働の花を、さらに大きく美しく育てていくために、ここでお伺いいたします。 
 花いっぱいのまちづくり活動では、協働が新たな協働を生み出し、輪が広がっておりますが、その現状と、花いっぱいのまちづくりにおける協働をさらに推進するため今後どのように取り組んでいくのでしょうか。 
 次に、東京理科大学、東京聖栄大学との協働について伺います。 
 平成25年4月に東京理科大学葛飾キャンパスが開設して以来、早いもので間もなく4年になろうとしています。この東京理科大学葛飾キャンパスは、隣接する葛飾にいじゅくみらい公園と一体となった空間の創出が実現したこと、さらに図書館や食堂などの区民開放施設の整備などにより、一般的には敷居の高い「大学キャンパス」が区民の憩いの場ともなっており、連日多くの区民が訪れております。周辺のまちづくりとも相まって、金町・新宿地域の様相も大きく変化し、この地域の住民も増加するなど、キャンパスの開設は大きな成果が上がっているものと認識しております。 
 大学誘致を進めていた平成21年3月に締結した基本協定書では、本区と東京理科大学は相互に協力して、人的、知的、物的資源の交流を図り、双方の発展に寄与するため、健康と福祉・まちづくりと産業・生涯学習とふれあいの各分野で協力することを定めており、区と大学、地域が相互に連携・協働して、学生による理大祭、大学同窓会によるホームカミングデー、12月にはミュージックフェスティバルなども行われてきました。また、今年度には、理科大プロジェクションマッピングも開催されました。さらに、来年度はかつしか盆まつりもこの理科大、葛飾にいじゅくみらい公園で開催されることになっております。これらのイベントだけでなく、寺子屋かつしか、区民科学教室、産学公連携事業なども協働のもとで開催されるなど、今後とも東京理科大学との協働は本区及び地域の活性化にとって欠かせないことであると思います。 
 また、区内の大学としては新小岩の東京聖栄大学もあります。東京聖栄大学が4年制大学に移行して12年とのことでありますが、その歴史は古く、ことし学園創立70周年を迎えると伺っております。「食」のプロを育成する大学として多くの栄養士などを輩出している大学でありますが、本区とは、平成25年9月に従来からの連携・協力関係を踏まえて包括連携協定を締結し、今日まで「食」や「健康」に関する分野に加え、地域の美化活動、災害時の協力など、さまざまな分野での協働による事業が進められております。去る2月6日には、食育と健康づくりに特化した、食育・健康づくりに関する協定を締結したとも伺いました。 
 区内両大学との連携・協働は、区民との協働に並び大切なものであり、さらに前進することを期待するものであります。 
 そこでお伺いいたします。 
 東京理科大学、東京聖栄大学との連携・協働の取り組みの現況についてどのように認識されておられるのでしょうか。また、今後の両大学との協働をどのように進めていかれるのでしょうか。その取り組みをさらに区民へと周知すべきだと思いますが、いかがでしょうか。 
 次に、(仮称)かつしか盆まつりについてお伺いします。 
 この(仮称)かつしか盆まつりは、葛飾区自治町会連合会と区との協働により平成29年度から新たに実施するイベントと聞いております。古くから葛飾の人々に愛され、各地域に伝統として根づいている、本区の特徴的な文化とも言える盆踊りを通して、区全体が盛り上がり、葛飾区民にとっては郷土の愛着を育む場となり、また、区内外に対して本区の下町人情を発信することになるという点からも非常に期待しているところであります。ぜひともさまざまな内容を創意工夫して、区を代表する一大イベントに発展させていってほしいと願っております。 
 さて、このイベントですが、かなり早い段階から開催日を8月15日と決定されているようです。8月は各地域で盆踊りが多く開催され、日程を決めることは困難が予想されました。盆まつりと銘打っていることからも、お盆の時期やその前後に開催するということは理解できるのですが、地域によっては区の大規模イベントが入ることで、これまで歴史的に培ってきた行事に影響が出ることも考えられます。 
 例えば、柴又地区では、地元のボランティアが区の支援を受けずに、毎年8月13日から15日と日を決めて帝釈天の境内で盆踊りを開催しております。当然、柴又地区の人々はこの日を楽しみに集まり、夏の夜の一時を過ごしてまいりました。特に最終日となる15日はコンテストがある最も盛り上がる日であり、その日に比較的距離が近い理科大、葛飾にいじゅくみらい公園で盆まつりが開催されることになると、柴又地区の人々はどちらかを犠牲にしなければならないと憂いております。 
 そこでお伺いしますが、区としてこのイベントを8月15日に決定した経緯について、お聞かせ願います。 
 ただいま申し上げたとおり、(仮称)かつしか盆まつりが8月15日に開催され、その日程が今後も固定されるとなると、柴又地区の盆踊りが存続できるかどうかも懸念されます。せっかくの協働のイベントが、全葛飾区民に受け入れられ、今後も地域の盆踊りなどの協働イベントと共存していくには、開催日程の決定には繊細な配慮が必要であります。葛飾区は盆踊りが盛んであり、8月の時期には毎日のように各地域で盆踊りが実施されていることは承知しておりますので、どこの地域の盆踊りとも重ならない日程を探すのは困難とは思いますが、それぞれの地域の盆踊りの集大成ともいうべき盆まつりでありますので、可能な限り各地域へ配慮していただければと思います。 
 そこで伺います。来年以降の開催場所・開催日程についてどのように考えておられるのでしょうか。 
 次に、葛飾赤十字産院と新宿図書センターとの協働についてお伺いいたします。 
 本区では、葛飾赤十字産院の移転建てかえの支援を決定し、新宿図書センターと道路補修課の土地を移転先として協定書を交わしました。赤十字産院では、区の新生児の約4人に1人が出生しているほか、地域周産期母子医療センターとして新生児集中治療室を備え、スタッフも医師も約40人、助産師約140人が働くなど、専門的で重要な施設です。葛飾赤十字産院の機能をより一層充実してもらうのはもちろんですが、協働という面からは、公立図書館として都内初めて病院と併設となる新宿図書センターにも積極的な取り組みをお願いしたいと思います。例えば、妊娠や子育てに特色を出す図書館として、本の選定に赤十字産院のスタッフにかかわってもらったり、そのレファレンスの方法について赤十字産院と連携して展示企画や講座を実施したりすれば、図書館という場を入り口に、区民が気軽に赤十字産院の持つ専門知識を活用することができると思います。地域周産期母子医療センターに併設するという条件を生かして、区民のためになる取り組みを進めていっていただきたいと期待しております。 
 一方で、病院と公立図書館との併設は、病院利用者、図書館利用者双方に幾つかの配慮が必要と考えます。まず、病院利用者である妊産婦・乳幼児に対して、不特定多数の方が利用する図書館からの感染症やセキュリティー対策が必要であると考えます。図書館併設というメリットを生かすため、病室に本を届けるサービスを行うなど、病院利用者も安心して新宿図書センターを利用できる工夫を行ってもらいたいと思います。 
 また、図書館利用者の中には、インフルエンザ等の感染症で来院する方もいる葛飾赤十字産院が建物内にあることを不安に思う方もいるかもしれません。病院からの感染症等のリスクを減らす対策も必要です。移転を契機に、区民が今まで以上に新宿図書センターと赤十字産院を活用できるよう、感染症等の対策をしっかりと行いながら、赤十字産院と図書館の協働を進めていただきたいと思います。 
 そこでお伺いいたします。 
 葛飾赤十字産院の移転建てかえの状況及び今後のスケジュールはどうなっていますか。また、新宿図書センターとの併設に当たっては、葛飾赤十字産院の特性を生かした協働事業を進めるとともに、感染症対策も重要かと思うが、区の見解を伺います。 
 次に、災害時の民間事業者との協働についてお伺いします。 
 これまでの大規模な災害時においては、被災自治体職員のみずからの被災や施設・設備の損傷などにより、被災自治体の災害対応能力が極端に低下し、被災情報の収集や避難所運営など、さまざまな場面においてマンパワーや物資の不足が課題となっています。これらの事態に対処していくためには、国や協定自治体との広域連携を進めていくことも重要でありますが、平時から区民・事業者と一丸になって協働による取り組みを進め、みずからの地域で対応力を向上させていくことが最も重要であると考えます。学校の避難所運営訓練でも、区職員が初動時に学校に来られないことを想定し訓練を行うようになりましたし、本年度、行政書士会や社会保険労務士会との協力を締結するなど、日々、連携体制の構築に向け努力されている事は理解しております。しかしながら、熊本地震では、特に物資供給・搬送などの分野での課題が提起され、その解決には物流企業が蓄積しているノウハウの活用が有効であり、我が区でもこれを取り入れ、さらなる取り組みの推進が必要であると考えております。 
 そこで、災害時における民間事業者との協働の取り組みについてお伺いいたします。 
 初めに、本区では、さまざまな分野の業界や団体と協定を締結しておられますが、どのような方針でこれまでの取り組みを進めてこられたのでしょうか。また、協定締結はゴールではなく、スタートラインに立ったのだと考えますが、締結後、災害対応能力を高めるためにどのような取り組みを平時から連携して進めているのでしょうか。 
 そして、熊本地震では集積拠点に国などからの物資が滞留し、避難所まで円滑に物資が到着しなかったことなどが課題として取り上げられています。この教訓を生かすには、官民が連携した物資搬送体制を構築していくことが不可欠でありますが、今後どのように取り組みを進めていくお考えなのでしょうか。 
 次に、事業者、とりわけ区民の方々の生活に密接にかかわるバス交通につきまして、公共交通に関する事業者との協働の観点からお伺いいたします。 
 今、我が国では、世界的にも類を見ないスピードで高齢化が進んでいます。超高齢化社会に突入した現在、今後のさらなる高齢化を見据えたとき、ご高齢の方々が日々快適に暮らすことのできる環境を整えていくことは、本区において喫緊の課題です。また、多くの人が住んでみたい、住み続けたいと思える区を実現していくためには、日々のさまざまな場面で利用する公共交通の利便性を高める取り組みが不可欠であります。そして、公共交通機関の中で、バス交通網のさらなる拡充や利便性の向上については、バス事業者だけに任せることなく、バス事業者と連携・協働し積極的に取り組んでいく必要があると思います。 
 本区におきましても、こうした背景を踏まえ、さまざまな取り組みを行っております。その中でも、新規路線の開設に向けたバスの社会実験運行については、平成26年度より継続して行うなど、区が主体的にバス事業者との連携・協働の取り組みを実施していることは大いに評価するところであります。バス交通網が拡充していくことは、地域間の移動や駅へのアクセス性が高まるなど、区全体が生活しやすい街、誰もが外出しやすい街となることにつながっていきます。今後ともこうした取り組みをより一層推進し、住みやすい、そして住み続けたいと思えるまちづくりを目指していただきたいと願うところであります。 
 そこでお伺いします。 
 本区で実施している、バスの社会実験運行について、現在までの取り組み状況と今後の展開について、お示しください。また、バス事業者との連携・協働について、今後区としてどのような考えで取り組んでいくのか、お示しください。 
 次に、職員の協働意識についてお伺いいたします。 
 これまで述べてきたように、本区にはさまざまな協働の取り組みが存在します。ここ数年は寅さんサミットや、かつしかRUNフェスタ、かつしかフードフェスタなど、新たな大規模イベントも開催され、区の活性化にもつながっています。しかも、区職員はもちろんおりますが、地域関係団体を含んだ実行委員会がイベントの運営に多大なるご尽力をいただいております。その思いを成功へと導くには、関係する区職員の協働に対する意識や取り組み姿勢が強いものでなければなりません。職員一人一人のその強い意識や姿勢が区民に伝わり、信頼関係の構築や、協働の担い手の確保、区民サービスの一層の向上につながるものと考えております。 
 また、地域では協働に対して好意的な意見を聞くことがふえ、区長が積極的に進めたいと話す協働が徐々に区民に浸透してきていると感じておりますが、中には負担感や、やらされ感を感じている方がいないとも限りません。そういった区民に対しても、職員の協働に対する意識や積極的に取り組む姿勢を継続的に示すことで、区民や事業者の行動に対する感じ方や捉え方が変わることも想定されます。 
 さらに、現在、区が実施する大規模なイベントは数多くありますが、一部のイベントにおいては主管課以外の職員も現場に従事していることもあろうかと思います。若いうちからさまざまな現場を経験することは、職員としての基礎力の向上に寄与すると考えます。また、区長が掲げる区民第一、現場第一の基本姿勢も身につくでしょうし、現場での区民との交流を通じた信頼関係の構築や区への愛着や誇りにつながり、協働意識のさらなる向上につながっていくものと考えます。 
 そこでお伺いいたします。 
 区長の協働に対する思いを実現させていくのは現場で活動される区職員でありますが、区職員の協働に対する意識の現状と課題についてどのように認識されているのでしょうか。また、職員に対する協働意識の向上に向け、どのような取り組みがなされているのでしょうか。最後に、今後はより多くのイベントの現場に、主管課以外の一般職員を従事させてみることを検討してみてはいかがでしょうか。 
 以上で、大項目、協働についての質問を終わります。 

次に、新年度に向けた教育委員会の取り組みについてお伺いいたします。 
 教育長の存在は、言うまでもなく、葛飾区の教育におけるトップであり、教育長の言動や心に秘めた熱い思いなどが、周囲の教職員を初め、PTAの方々、その他の学校関係者、ひいては区内の学校に通う生徒たちに大きな影響を与えるものであります。教育長の言動は区内の全ての教育関係者の注目するところであり、本区の教育方針の方向を大きく左右するものでもあります。 
 塩澤教育長が教育長に就任以来、私が教育長に持つイメージは、教員の資質向上に対する意識が高いということであります。教員の研修等を充実させることにより教員の質を高め、生徒に対する授業を充実させたり、教員の意識を高めることで区内の教育水準の向上を図っていたりしているように感じております。 
 また、塩澤教育長は、1年間かけてみずから全ての学校を訪問し、全ての教員と児童・生徒の授業の様子を見ていると聞いております。大変すばらしいことだと思います。それこそが、教員出身である塩澤教育長ならではの特徴があらわれている点であり、他者にはまねのできない思いや考えが含まれている行為ではないかと感じている次第であります。 
 そこでお伺いいたします。1年間かけて全ての学校の全ての教員と児童・生徒の授業の様子を見るという学校訪問を通して、学校に何を期待し、どのような効果が見られたのでしょうか。 
 先日、文部科学省から次期学習指導要領案が発表になりました。答申には、グローバル化する社会で生きていく子供たちの成長を支える教育についてのあり方や、子供たち一人一人が自分の価値を認識するとともに、相手の価値を尊重し多様な人々と協働しながらさまざまな社会的変化を乗り越え、よりよい人生とよりよい社会を築いていくための教育のあり方を示しています。また、現在、教育委員会で推進している幼稚園・保育園から中学校までの連携教育のような取り組みが、学習指導要領案では、教職員間、学校段階間、学校と社会との間の相互連携や、学校の種別を越えた協働である社会に開かれた教育課程として重視されています。 
 さらに、学習指導要領案には、本区の先生方が取り組んでいる葛飾教師の授業スタンダードに位置づけられている子供たちの主体的な学びや、子供たちが行っている、かつしかっ子学習スタイルのような学習に取り組む姿勢は、この学習指導要領案を見越していたかのような先進的な取り組みとして高く評価し、しっかりと推進していかなければならないと考えております。 
 去る2月17日に文教委員会に庶務報告された「平成28年度葛飾スタンダードに関する意識調査の実施結果について」において、葛飾教師のスタンダード調査結果で、主体的な活動を取り入れているか、まとめをしているかの項目で学校間格差が見られ、他項目に比べ数値が低かったことが報告されています。そして、まとめの指導の充実による「分かるまで、できるまで学ぶ意欲の向上」を改善すべき点であるとし、「授業の終わりに、学んだことを振り返らせ、板書等により整理する」に重点を置いた授業改善を推進していくと結論づけておられます。まさに調査結果の報告は正論であると思いますが、具体的にどのように教育委員会が関与し、進め、充実させていくのかが問われるところであります。 
 そこでお伺いいたします。全校統一して実施している葛飾スタンダードについて、今後どのように充実させていくのでしょうか。 
 次に、葛飾学力伸び伸びプランについて伺います。 
 葛飾学力伸び伸びプランは、平成24年12月策定の葛飾区基本計画に位置づけられ、平成25年度から実施しているものですが、各学校の校長がそれぞれの学校の実態に即して策定した学力向上プランに対し、教育委員会が支援を行い、児童・生徒の基礎学力の定着と各学校の学力向上に向けた積極的な取り組みを支援するものであります。 
 学校とは、個性の違う先生の集合体であり、同じ学校でも、先生の構成が変われば学校の雰囲気や特徴も変わってくると思います。そのような中で、各学校に合わせて支援を行う葛飾学力伸び伸びプランは、教育委員会においても各学校から出された学力向上プランを見きわめる高度な判定力が求められると思います。昨年6月の文教委員会に出された庶務報告を読みますと、5月に前年度の取り組み及び当該年度の計画について報告を受け、6月文教委員会に報告、翌年1月に各校の中間報告書の取りまとめ、3月に実施報告書の提出依頼となっておりました。ことしもほぼ同じようなスケジュールで進むと思われますが、先ほども述べたように、塩澤教育長は1年かけて区内全校を訪問しておられますので、この葛飾学力伸び伸びプランも念頭に置き訪問されていると存じます。 
 そこで伺います。各学校の状況に応じた学力向上プランを支援する葛飾学力伸び伸びプランについて、現在どのように取り組まれ、今後どのように充実させていくのでしょうか。 
 最後に、学校におけるICT機器の導入や学習環境の充実について伺います。 
 平成29年度予算には7億3,400万円が計上され、かつしかグローバル人材育成事業、ICTによるイノベーション創出事業として国際競争力や経済競争力のある人材を育成するとされています。具体的には、中学校の生徒用タブレット及び小学校の指導用タブレットを導入するとのことです。私も過去に教員経験がございますが、タブレットを使った学習方法はそのころにはなかった新しい手法であり、指導方法も教員の間で習熟されているとは言い難く、教員間にも格差があると考えられます。まさに、教員の指導力が問われる分野であり、区全体で一定の水準が保てるかどうか、教育委員会の力量が問われるところでもあります。しかしながら、人材のグローバル化や技術革新に伴うデジタル化は社会の要請でもあり、勇気を持って取り組まなければなりません。学習指導要領案には主体的・対話的で深い学びが要になるとありますが、教育委員会が推進している施策を学校と教育委員会が協働し、研究しながら進めていくべきと考えます。 
 そこで伺います。学校におけるICT機器の導入や学習環境の充実を行っていくこととなりますが、新学習指導要領案で掲げられた主体的・対話的な深い学びの実現のためにどのような取り組みを行っていくのでしょうか。 
 以上で、私の一般質問を終了いたします。

平成25年第3回定例会(9月9日)

(1) ゲリラ豪雨等自然災害への対策について
(2) 子育て支援策について
(3) 教育施策について
(4) 「かつしかの元気食堂」について
(5) 葛飾の観光施策について

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お許しをいただきまして、私は、さきの通告に従い、区長、教育長並びに関係部長に対し、一般質問を行うものであります。 
 まずもって、区長挨拶の中にもございましたが、2020年夏の東京オリンピック・パラリンピック開催地決定を心から祝福いたします。私が生まれた1964年以来、2度目となる東京オリンピックの成功、そして、その感動と興奮を東日本大震災の被災地の復興とあわせて世界中の人々とともに分かち合える日が来ることを強く期待するものであります。 
 さて、いよいよ今期の区議会議員の任期も満了近くなりました。この4年間を振り返りますとさまざまなことがありましたが、最も忘れられないことの一つは3.11、つまり東日本大震災のことではないでしょうか。あのとき、私たち区議会議員の多くは議員連盟の総会のため委員会室で会議中でしたが、委員会室から見える樹木がこれまで見たこともないほど左右に大きく揺れており、ピロティー式の議会棟はこのまま倒壊してしまうのではないかと瞬間的に思いました。その後、ニュースを見るためにつけたテレビからは、見る見るうちに水位が上がっていく津波の映像が流れ、自然災害の恐ろしさをリアルタイムで思い知らされました。震災に対する私たちの意識はその後確実に増し、各家庭でも備蓄品などの準備は進んでいるものと思われますが、この夏は改めて別の自然災害の脅威を感じさせられました。 
 その一つは、豪雨であります。 
 6月19日に石川県七尾市で起きた雨量200ミリを超える大雨に始まり、7月3日、福岡県内で時間70ミリの短時間強雨、7月11日には山形県に大雨が降り、7月28日には山口県阿東地区において半日で7月一月分を上回る470ミリの雨量を記録し、山口県内の被害は2人が死亡、1人が行方不明、全半壊した住宅124棟、浸水した住宅1,800棟余りに上りました。また、8月には秋田県や岩手県の内陸、北海道道南部に、これまで経験したことのない雨が降りました。 
 これらは比較的日本海側に集中していますが、私たちの近くでも、7月8日には荒川河川敷で雷による死亡者も出たゲリラ豪雨もありましたし、8月12日、練馬区では午後7時までの1時間で最大92ミリの雨を観測し、4軒が床下浸水した豪雨もありました。また、同日杉並区では、善福寺川近くの住宅で床上浸水5軒、床下浸水1軒の確認がされております。その日は落雷も相次ぎ、東京、神奈川、埼玉、栃木で2万4,000軒以上の停電があったとの報道がなされておりました。幸い、葛飾区では豪雨はあったものの、ニュースになるような被害はなかったと認識しておりますが、いつ局所的な雨に見舞われ、内水氾濫などの被害が出てもおかしくはないとだれもが感じているのではないでしょうか。 
 本区では、かつてカスリン台風による水害を経験していることから、ハザードマップの作成あるいは大型商業施設の駐車場や民間マンションの廊下や階段部分を一時避難場所として提供していただく協定の締結など、水害への対策はこれまでも力を入れてきております。しかし、これまで経験したことがないと形容されるような自然災害が続いて起きている今日、想定外を想定した対策の見直しが常に必要となっており、さらなる検討が求められます。 
 他の自然災害の脅威を感じたことには、竜巻や雷があります。竜巻は、今月に入り、立て続けに関東地方の住宅街で発生しました。そのためか、多くの映像が近くにいた一般の方々から提供されておりました。竜巻の発生をとめることは無理でしょうが、被害を極力少なくできるように、過去の事例から学ばなければなりません。 
 また、雷についても同様であります。先ほど述べた荒川河川敷での事故の日、私は消防団員として水元公園で訓練をしておりました。東京都の排水ポンプ車を使っての連携訓練でしたが、快晴だった天気からにわかに雲行きが怪しくなり、突然の豪雨が降り出しました。雷は初めのうちは鳴っておらず、木の下へ避難したわけですが、その後、雷が鳴り出したときには、訓練中でもあり雨も強く、他の安全な場所も周りに見当たらず、不安を感じながらも、そのまま木の下で雨をやり過ごしておりました。間もなく、消防署員から車の中へ避難するようにと指示があり、訓練を中断して、近くにあった消防団の車の中で、すし詰め状態で避難をすることになりました。ほどなく訓練は中止となり、解散。時折雷の鳴る中、不安な気持ちのまま、私たち消防団員は乗ってきた車のある駐車場まで歩き、そして帰るわけですが、その後も雷は鳴りやむことなく、私たちの分団の団員たちは、分団の資材置き場で1時間以上も天候が落ちつくのを待つ羽目になりました。 
 夜のニュースで荒川河川敷での事故を知ったのですが、それは他人事ではなく、私たちが被災していても何らおかしくない状況でした。場所が広大な水元公園ということもあり、傘がない方は、建物などが近くにない場所で雨に遭えば、木の下へ避難したことと思います。 
 しかし、あのとき現実には、その後雨が強くなり、木の下から外へ出られない状況になったところで雷が鳴り出すという展開が待っていたわけですから、水元公園における雷対策は、区民を初め、水元公園を利用される方々にとって欠くことのできないことであると痛感いたしました。 
 水元公園は都立公園ですので、第一義的には東京都が対策をとるべきものですが、区民にとって身近な公園でもあり、東京都では目の行き届かないところもあるでしょうから、ぜひ区としての対応もお願いしたいところであります。また、このような体験をしたばかりでしたので、残念ながら中止となってしまったことしの葛飾の納涼花火大会ですが、雨だけでなく雷も鳴ってしまいましたので、安全を第一に考えた大会中止の英断を支持しております。 
 そこで質問いたします。 
 1、台風の大型化、ゲリラ豪雨の多発など、水害対策の充実が欠かせないと考えますが、区としての取り組み状況、今後の方針はどうなっているのでしょうか。 
 2、これまでの基準をはるかに超える現象に対して特別警報が発表できることとなりましたが、特別警報の発せられる基準や、区としての周知方法はどのように考えておられるのでしょうか。 
 3、本定例会には補正予算として水害用のボートの購入が計上されておりますが、その訓練を含め、どのように活用することを考えているのでしょうか。 
 4、本区の土地の約半分が海抜ゼロメートル地帯であることから、現在進めている水害時における民間マンションと自治会の間の一時避難協定ですが、現在どのくらいの数の施設が協定の締結に至っているのでしょうか。進捗状況をお聞かせください。 
 5、広大な水元公園で雷が発生したときに、場所によっては建物などに避難できず、木の下へ避難してしまうという危険な行動をついとってしまうことが考えられるが、水元公園内の雷対策はどのようになっているのでしょうか。 
 次に、子育て支援についてお伺いいたします。 
 この質問に関しましては、我田引水ととられないように、予算に絡む質問は避け、子ども・子育て新制度の仕組みや子育て支援の大きな流れの中での葛飾区の見解を伺うものであることをあらかじめ申し添えておきたいと思います。 
 さて、現在の我が国の子育て支援策は、子供たちが本来保護者から受けられるはずの愛情ある保育が保護者の仕事などの理由により受けられない場合に、保育所等で保育を受けるという子供の育ちの上から必要とされる側面と、人口減少社会に突入した場合の労働力低下を避け、女性の柔軟でしなやかな感性や発想を生かしたより豊かな社会形成に向け、欧米諸国に比して立ちおくれていると言われている女性の社会進出を後押しするという労働政策の上から必要とされる側面が含まれています。特に、ここ数年は保育所等の待機児問題が顕著になり、他区において認可保育所に入所がかなわなかった保護者からの不服申し立てが相次いだことは、皆さんもご承知のことと存じます。 
 我が区の15歳未満の年少人口は、10年前と比較しても横ばいが続いており、基本計画の将来人口推計では、今後は緩やかに低下すると見込まれておりますが、その一方で、経済の低迷なども相まって保育ニーズは高まり、その利用率も上昇しております。 
 こうした需要に的確にこたえていくために、本区では安心して子育てができる環境づくりを重要施策と位置づけ、認可保育所及びその分園、あるいは認証保育所の新規整備により保育所定員を拡大させ、本年4月1日時点の葛飾区の待機児童数は38人と昨年度比で半減をさせました。この人数は、23区内で最も少ないグループに位置しており、同時に、マーケティング調査などによるアンケートでも、仕事と子育てが両立しやすい環境が整っていると思う区民の割合が、平成10年代には2割台だったものが平成20年代には3割台へと上昇しており、本区の取り組みについて高く評価をするものであります。 
 しかしながら、保育所の整備が進めば進むほど潜在的な需要を掘り起こすとも言われており、いまだ待機児童の解消に至っていない現状については真摯に受けとめ、待機児ゼロを目指した継続的な取り組みが望まれます。 
 本年4月に、安倍総理は、成長戦略に関するスピーチを行いましたが、女性の活躍を成長戦略の中核に位置づけ、待機児童の解消を重要な柱としております。我が国の成長戦略の重要な鍵を女性が握っており、その意欲や能力を最大限発揮できる環境整備が極めて重要であるということでありました。このことにかんがみ、子供・子育て支援における新たな制度の本格実施を待たずして待機児童を解消し、新たな制度への円滑な移行を促進すべく、待機児童解消加速化プランが具体化され、本区も含めて多くの自治体が参加表明を行いました。掲げられた目標は、平成25、26年度の2カ年度を緊急集中取り組み期間として、およそ20万人分の保育の受け皿を整備すること、そして新制度スタートから保育ニーズのピークを迎えるとされる平成29年度までを取り組み加速期間と位置づけ、トータル40万人分の保育の受け皿を確保することで早期に待機児童を解消しようとするものであり、そのために国としてできる限りの支援を行うとされております。 
 本区においても、待機児童が解消されていない現状を踏まえれば、加速化プランへの参加は当然でありますし、新たな制度の先取りと円滑な接続という側面からも、メニューを適切に精査し、活用すべきと考えます。 
 こうした国を挙げての取り組みを加速することに加えて注目されるのは、子供・子育て支援における新たな制度であります。 
 本年4月、内閣府に、有識者や子育て当事者などが参加する子ども・子育て会議が設置され、下部検討会議を含め、これまでに今日現在9回の議論が重ねられております。そして、これまで集中して議論した最初の成果物として、新たな制度の基本理念ともいうべき子ども・子育て支援法に基づく基本指針なるものの案が示されたところであります。 
 この中では、今後、本区の子育て支援の方向性を定めるに当たっての重要な幾つかの視点が示されております。最大の目的として、子供の最善の利益が実現される社会を目指し、一人一人の子供の健やかな育ちを等しく保障することを目指す必要があるとしております。加えて、子育て経験を通じて親としての成長、すなわち親育ちの過程を支援する必要性も説いております。その上で、父母、その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有すること、家庭が教育の原点であり出発点であること、この前提と認識を踏まえ、子供及び子育てに関する支援が行われるべきであることが述べられております。 
 また、子育て中の保護者が、家庭にのみとどまるのではなく、地域社会にみずから参画し、連携していくことの重要性も説かれております。 
 このような理念のもとで実施される子ども・子育て支援制度でありますが、当該制度の本格実施は最短で平成27年4月と聞いております。実施に向けた実務の準備を考えれば、制度の実施主体である各自治体に与えられた時間は決して多くはありません。 
 本区におきましても、いわゆる地方版子ども・子育て会議が、さきの第2回定例会で条例化されました。今後は、教育・保育・子育て支援や関係団体・子育て当事者で構成された本区の子ども・子育て会議において、法の趣旨・理念を踏まえ、適切にその役割を果たしていかれるものと思います。 
 新たな子ども・子育て支援制度では、基礎自治体は法律に基づく事業計画の策定が義務づけられ、計画の実施主体としての役割を担うこととなります。 
 現在、子育て支援に関する計画は、平成26年度末までの時限法である次世代育成支援対策推進法に基づく子育て支援行動計画(後期計画)であり、法律の時限と同様、計画期間は26年度末であります。したがって、今後新たに策定される計画は、本区の子育て支援の基盤となる重要なものであり、その内容は、真に本区の子育て支援のニーズを踏まえた実効性のあるものでなければならないと考えるものであります。 
 そこで、以上のことを踏まえ質問いたします。 
 1、平成27年4月から本格実施が見込まれる新たな子ども・子育て支援制度を受け、今後、本区の子育て支援施策をどのように展開していくのでしょうか。 
 2、今後、本区の子育て環境の充実を目指し策定が進められる子ども・子育て支援事業計画について、計画の柱となるものはどのようなものと考えておられるのでしょうか。 
 3、子ども・子育て支援事業計画の策定に当たり、本区が掲げる協働という視点から、どのように区民と協力し、地域の意見を計画に反映していくのでしょうか。 
 4、国が、新たな子ども・子育て支援制度の本格実施に先駆けて打ち出した待機児童解消加速化プランについて、待機児童解消の早期実現に向けて、本区の子育て支援施策の中にどのように取り入れていくお考えなのでしょうか。 
 次に、教育施策についてお伺いいたします。 
 本年6月24日付の日本教育新聞に、塩澤教育長のコラムが掲載されておりました。子供のころから学校が大好きだったこと、教頭として赴任した小学校の校長から教員を大切にすることが教育をよくするということを学んだことなど、ふだん余り聞くことのできない塩澤教育長の内面を形成しているものの一部を知ることができました。 
 さらに、教育委員会の役割について、目立つ施策を打ち出すことではなく、努力している教員を支えていくことなのだと考えます。教師が自信と誇りを持たなければ、子供たちも自信と誇りを持てないでしょうと述べられており、教育委員会の役割にも触れられております。 
 現在、本区では葛飾区教育振興ビジョンのもと、授業時数の確保のために葛飾教育の日を設けたり、夏期休業の短縮などを行ったり、また、小中一貫校の推進や特色ある学校づくりの推進など、さまざまな取り組みを行っております。 
 これらの取り組みが目立つ施策に入るのかどうかわかりませんが、教師や子供たちが自信や誇りを持つために、塩澤教育長におかれましては、信念を持って今後も取り組んでいただきたいと思っております。 
 また、努力する教員を支えるということは、一人一人の教師の授業力の向上や、学校現場を指揮する校長の裁量権の拡大などが必要ではないかとも思っているところです。しかしながら、授業力の向上や校長の裁量権の拡大がなされても、子供たちに還元されて初めて意味があると考えておりまして、それを検証する手だても並行して構築していくべきだろうと思います。 
 さらに、コラムでは、子ども区議会での子供議員が、「学力が低い僕たちは」という言葉を用いて質問した際に、このままではいけないという思いを新たにされたことも書かれてありました。 
 私は、子ども区議会に参加するような積極的な子供たちが、発言のとおり、学力が低い子供たちだったとは思っておりません。むしろ学力が余り高くない子供たちは人前で話すことなど苦手で、自分の思いがあってもうまく表現できず、一人で思い悩んでいる子供たちが多いのではないかと思っています。我々大人や教師たちは、そのような子供たちが自信を持ってさまざまな分野で活動していくことに手助けをしなくてはなりません。その点において、教育長の考えや抱負は、これからの葛飾区の教育の充実に期待を抱かせるものであります。 
 先月27日、今年度の全国学力テストの結果が新聞紙に掲載されておりました。その結果、都内の公立校は小・中学校ともに全分野で全国平均を上回ったそうであります。 
 しかし同時に、地域差は縮小しているものの、過去の学力テストで常にトップクラスの秋田県は、小学校の国語A・B問題、算数のA・B問題、中学校国語のA・B問題でトップになるなど、上位自治体が固定化しているとも報じておりました。秋田県教育委員会の担当者は、高学力の秘訣について、学力テストではすぐに自己採点で弱点を洗い出し、授業改善につなげていると地道な取り組みを強調したと報道されています。私は、この言葉を聞いて思いますのは、本区が独自予算で行っている確かな学力の定着度調査であります。 
 以前から述べさせていただいておりますが、この調査は本区独自のものですから、他の自治体を気にすることなく、本区の子供たちの弱点に特化した問題作成が可能です。教師を数年すれば、それぞれの科目で、どこで子供たちがつまずきやすいかがわかるはずですから、本区の子供たちの弱点にねらいを絞った問題作成を自前でしてはいかがでしょうか。そして、子供たち自身で採点をさせ、何をどう間違えたかを理解させれば、弱点克服の一歩になるはずです。 
 また、今のことですから、クラウドコンピューターシステムなどを使って各学校の先生に問題を作成してもらい、教育委員会で集約し、テストとして完成させることもよいでしょう。 
 現在の外注方式では、版権の問題もありましょうし、繰り返し問題を使用することからも、テストそのものも解答用紙も手元に残らず、特に算数ではどこでつまずいたのかがわかりづらいと思います。しかし、区の教育委員会が中心となって問題を作成すれば、解答用紙も採点も生徒たちに渡すことが可能で、つまずきがわかりやすくなるのではないでしょうか。 
 また、問題そのものも葛飾区に特化した問題作成が可能です。他自治体の子供たちが知らなくても、本区の子供たちが知っておくべき知識などもあると感じております。 
 例えば英単語で申しますと、菖蒲の花、そうアイリスです。つづりも間違えることなく、I・R・I・Sと本区の子供たちすべてには知っておいてもらいたいところです。また、本区は川に囲まれている地域ですが、川の名称のあらわし方は実は間違えやすいものです。江戸川はEdo Riverではなく、theをつけてthe Edo Riverと通常は言いあらわすことなど、本区だからこそ特に知っておくべき事柄であると考えます。 
 オリンピック開催も、冒頭で述べさせていただいたとおり決定いたしましたので、私たちの身近なものを外国人に説明できるようにすることは、すぐに必要になります。そのためにも、本区独自のユニークな問題を作成し、全国や東京都のテストとは違った切り口で、学力向上に結びつけていただきたいと思っております。 
 そこで質問いたします。 
 1、教師や子供たちに自信や誇りを持たせるためには、具体的にどのように取り組んでいこうと考えておられるのでしょうか、教育長の考えをお聞かせください。 
 2、教師の授業力の向上や校長の裁量権の拡大などについて、教育委員会が担うべき役割について、具体的にどのように取り組んでいかれるのか、お聞かせください。 
 3、教員の授業力向上などの真の目的は、子供たちの学力向上に結びついてこそ意味があると考えますが、それをどのように検証されるのでしょうか。 
 4、子供たちの学力向上のためには、本区の確かな学力定着度調査の試験問題を自前で作成し、葛飾区の子供たちの弱点に特化したり、ユニークな問題を作成すべきだと考えておりますが、検討状況はいかがでしょうか。 
 次に、「かつしかの元気食堂」推進事業についてお伺いいたします。 
 生活習慣病を中心とした疾病の予防を目的に、平成20年度から各医療保険者に特定健康診査を実施することが義務づけられ、40歳から74歳を対象として特定健康新診査が開始されました。 
 とりわけ、葛飾区国民健康保険における特定健康診査の結果をお聞きしたところ、受診者の3割程度の方がメタボリックシンドローム予備群もしくは該当者とのことであります。これは、残念なことに特別区平均や東京都平均に比べて多い状況となっております。 
 また、昨年度策定されました葛飾区特定健康診査等実施計画第2期によりますと、国民健康保険の平成24年5月診療分の全レセプトに占める生活習慣病の割合を見ますと、本区では34.7%を占めており、先ほどと同様に、特別区全体、東京都全体の割合よりも高くなっております。 
 これらのことから、多くの葛飾区民の生活習慣が、少なくとも良好でないことがうかがえる結果のあらわれと見ることができます。 
 生活習慣病につながる肥満やメタボリックシンドロームは、当たり前のことですが、食生活と深い関連があります。本区では、平成22年3月に食育推進計画を改定し、食育を推進しておりますが、子供のころから、生涯にわたって健全な食生活を実践できるように、さまざまな取り組みをすることが大切であると考えております。 
 肥満やメタボは30歳代から増大するとのことですが、これら30歳代からの働き盛りと言われる男性では、生活習慣病の予防と改善に対する関心が薄く、食生活の面では外食に頼る傾向が強いのではないでしょうか。外食の機会の多い働き盛りの男性や、ひとり暮らしの方などにとって、栄養バランスのよい食事をとることは容易なことではないはずです。しかし、その外食の際に、栄養バランスのよい食事や栄養バランスのよい食事に関する情報が受けられるとすれば、生活習慣病の予防や改善につながる機会が大幅にふえるものと考えます。 
 そこで、飲食店の協力を得ながら、栄養バランスのよい食事に関する情報発信を行ったり、食事に注意が必要な方について、外食においても野菜をプラスしたり、塩分を控え目に選択できるなど、さらに健康を意識した食事をとれるという、外食における食環境整備が必要と考えます。それを目的とする事業として、新基本計画に盛り込まれ計画事業となったかつしかの元気食堂推進事業は、その実施に期待をしているところであります。 
 そこで質問いたします。 
 1、かつしかの元気食堂事業の現在の進捗状況をお聞かせください。 
 2、この事業では、区民が身近な飲食店で利用できることが必要でありますが、そのために、協力していただく登録店をふやし、実際に利用されるための工夫が必要であると思いますが、どのような具体的な方法をお考えなのでしょうか。 
 次に、観光振興策についてお伺いいたします。 
 観光振興につきましては、魅力ある観光まちづくりを推進するため、基本計画の重要プロジェクトの一つとして、さまざまな事業の積極的な展開を予定されていることと思います。 
 私が住む柴又も観光地としての側面が強いわけですが、この夏は異常気象による暑さのためか、幾分訪れる観光客の方々が少なかったように感じました。同時に、スカイツリー効果を期待していたが、柴又まで足を延ばせてもらっていないとの声も複数のお店から聞こえてきております。そのスカイツリーは荒川を挟んでお隣の墨田区にあり、5月の開業1周年の際には、展望台の来場者が638万人、スカイツリータウン全体では5,080万人の方々が、私たちのすぐそばまで訪れておるわけであります。あわせて、7月末に発表された最新の数字では、本年4月から6月の展望台来場者は156万人、全体では1,046万人、本年4月から来年3月までの1年間の予想として、展望台には644万人、タウン全体では4,000万人の来場者を見込んでいるとのことであります。 
 本区には、名誉区民である山田洋次監督の作品である映画「男はつらいよ」の「寅さん」、亀有の派出所を舞台にした漫画「こち亀」こと「こちら亀有公園前派出所」、作品や作者に四つ木や立石とゆかりのある漫画「キャプテン翼」といった全国的にも著名なキャラクターが存在しているわけですから、スカイツリーに訪れた方々が足を延ばし我が区に相当数来ていただいても、また、アニメファンや映画ファンなどが、スカイツリーよりも重きを置いて葛飾区を訪れていただいても、何の不思議もないのであります。 
 これら葛飾区に存在するキャラクターにつきましては、これまでも寅さんやこち亀を活用した観光振興事業などに区と地域が協働して取り組みを行っており、柴又や亀有などへの観光客の誘致が図られてまいりました。この寅さんとこち亀という葛飾区ゆかりのあるキャラクターに加え、第3のキャラクターとして世界各国の有名サッカー選手も影響を受けたと言われているキャプテン翼が加わり、ことし3月、四つ木つばさ公園内に主人公、大空翼のモニュメントが設置され、除幕式にも参加をさせていただきました。このときは、国内外の多くの方々に親しまれている作品の主人公のモニュメントが設置されたということや、漫画家の高橋陽一さんが式典に参加をしていただいたことなどから、大きな反響がありました。 
 しかし、正直なところ、主人公のモニュメントとはいえ、1体だけでは亀有のこち亀のような連続性が感じられず、もう少し広がりが持てればと思っておりましたところ、ここへきて新たなキャプテン翼のキャラクターモニュメントを設置するとの話を耳にしました。複数のモニュメントができるとなれば、訪れていただけるファンの方々にも満足感が増し、これを契機にスカイツリーと組み合わせた来訪者が、この地域にふえることが想定されます。また、観光事業を初め、このようなさまざまな施策は、発信し続けることにより観光客の誘客につながるものと期待をしております。東京オリンピック・パラリンピックの際に、特にサッカーの代表選手たちには本校を訪れていただき、モニュメントを見てもらえればと、今から楽しみにしているところです。 
 そこでお伺いいたします。 
 1、新たなキャプテン翼のキャラクターモニュメントを四つ木や立石地域に設置するとのことですが、新たなモニュメント設置を広くPRするために、どのような方策を考えているのか、お聞かせください。 
 2、モニュメント設置だけではなく、キャプテン翼を活用したさまざまな施策を展開することで、キャプテン翼が葛飾区とゆかりのある街として認知され、観光客の誘客につなげるため、今後のキャプテン翼の活用施策としてどのようなことを考えておられるのか、お聞かせください。 
 同じく、多くの誘客が期待されるものに、現基本計画に掲げているフードフェスタがあります。 
 昨今、食への関心が高まり、全国各地で多くの自治体や産業団体などが主体となり、身近な場所で、幅広い世代が楽しめる食のイベントが数多く開催されております。地元の特産品や名物料理を中心としたものや外国の食品を主としたものなど、さまざまな工夫を凝らしたものがあり、内容もさまざまです。 
 東京でも、国営昭和記念公園で8月、まんパクが開催され、TBSのサンデージャポンでも紹介されておりました。昨年のデータですが、9日間で19万1,000人の来場者があったそうです。ことしは17日間に拡大されており、昨年をはるかに超える人々が訪れたことと予想されます。 
 また、代々木公園では、10月19、20日と東京ベジフードフェスタが予定されており、こちらも昨年のデータですが、2日間で3万5,000人の来場客があったそうです。ちなみに、このフェスタで提供される食品はすべてベジフード、つまり植物性の食材及びそれによってつくられた食品や料理であり、世界的にはビーガン食と言われるものだそうです。このフェスタは、先ほど述べたかつしかの元気食堂とも通じるところがあり、イベント性に合わせて栄養バランスのとれた食生活の情報発信もできることから、我が区でも大いに参考にすべきところが多々あると思います。 
 本区でも、野菜といえば、かつしか元気野菜がありますし、また、マスコミで紹介され広く知られている名物には、柴又の草だんごや立石のもつ焼きなどもあります。また、区民にも余り知られていない地元の名店や絶品グルメなどもフードフェスタを通じてしっかりと紹介し、その味や魅力を発信することにより、区内の商業振興はもとより、新たな観光資源として多くのお客様が葛飾区に足を運んでいただけるものと思っております。我が会派でも大いに期待をしているところであり、本年3月の予算審査特別委員会で、我が会派の倉沢議員からも、区内各地でのにぎわい創出のため、会場については一つの地域に限定しない方がいいと積極的かつ建設的な提案を行いました。 
 このフードフェスタは、第1回の来場者の目標を1万人として、平成26年秋に区内大規模公園を会場として開催すると聞いておりますが、本区としては初めての取り組みであり、私としては関係団体と十分に調整をし、出店される事業者の方々が不安を抱かないようにするなど入念な準備が必要であると考えております。 
 また、実行委員会組織を立ち上げたとお聞きしておりますが、この種のイベントは行政主導ではなく関係団体が自発的に取り組み、行政は側面から支援していく体制を構築することが不可欠であると思います。 
 さらに、同様のイベントの実例を見ますと、そのほとんどがかなりの期間をPRに費やすなど、広報活動に大きな力を注いでおります。このフードフェスタは、他区でも余り例を見ないイベントであり、十分過ぎるほどのPR活動を行う必要があると思います。 
 そこでお尋ねします。 
 1、フードフェスタについて、検討体制と現在の進捗状況をお聞かせください。 
 2、フードフェスタ開催に当たっては、事業者の方々が安心して出店できるような準備を考えておられるのでしょうか。また、PRのために広報かつしかや区のホームページ以外にもどのような方法を考えておられるのか、お聞かせください。 
 以上をもちまして質問を終了させていただきます。ご清聴ありがとうございました。

予算委員(平成24年12月)

平成25年度の予算要望を自由民主党議員団の幹事団で行いました。
  

予算総括質疑(平成24年3月)

平成24年度の総括質疑を行い各部それぞれに、いざという時の備えについて確認をし、防災対策の集中的審議を行いました。

本文を読む

それでは、お許しをいただきまして、平成24年度予算に対し、さきの通告に従い、防災に焦点を当てて総括質疑をさせていただきます。
 昨年の東日本大震災から間もなく丸1年になろうとしています。東北の被災地とは比べ物になりませんが、我がまち葛飾でも液状化現象が起きたり、多くの区民が帰宅困難になるなど甚大な被害を受けました。日を追うごとに首都直下地震に対する区民の警戒心も高まっていると感じられ、それを裏づけるように、今回の代表質問、一般質問でも多くの議員から防災の質問がなされておりました。
 区長におかれましても、通常第1回定例会の所信表明は、翌年度予算案を提出することから社会状況、経済状況を述べ、それを判断材料に、これこれこのように予算編成したと表明するのが常でありましたけれども、今回は防災について冒頭に述べられておりまして、区長の防災に対する意気込み、熱意のあらわれだと私は感じたところでございます。
 そこで今回の総括質疑は防災についてだけを取り上げました。防災についての質問といいますと、防災課を持つ地域振興部が答えるのが普通でございますけれども、防災は防災課だけが準備をすればよいのではなく、通常の業務をこなす中で、どの部でもそれなりのオリジナルといいますか、ほかの部にはない防災意識を持って、通常の仕事に対応すべきだと考えますし、対応しているのだと思います。
 昨年の予算を審議しているときに、3.11がありましたので、今年度の当初予算は3.11以前の意識で予算案が作成されております。3.11以降、補正予算を経て、初の今回が当初予算でございますので、今回の予算案において、各部の防災に対する意識がどのように込められているのか、数字にあらわれるもの、あらわれないものもあると思いますが、その点につきまして質問をしたいと思います。
 あえて防災課のある地域振興部は後にいたしまして、その他の部長に、どのような防災意識を持って予算要求をされ、それが予算案にあらわれているのか、昨年の発災時の思いや、平成23年度の防災に対する補正予算の経緯などを絡めてお伺いいたします。
 なお、先ほども述べましたように、代表質問、一般質問でも多くの防災関連の質問がなされておりまして、なるべく重複しないよう、重複するものは角度を変えて質問をしたいと思っておりますが、私なりに質問したいこともございますので、重複してしまった場合はお許しいただきたいと思います。
 なお、簡単に答えられる質問に対しましては、イエス、ノー式に簡潔に答えていただいて結構ですし、ボリュームのあるようなお答えの場合には、多少かいつまんでお答えいただいても結構でございますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、行政順に、政策経営部長からまず質問をしたいと思います。
 政策経営部長におかれましては、昨年の3.11震災発生時、あるいは発生直後に、部の業務継続と申しますか、仕事に対する観点から、どのような意識をお持ちになられたのでしょうか、まずお伺いしたいと思います。

平成23年第1回定例会(2月28日)

(1) 平成23年度予算編成について
(2) 区民本位のサービス向上策について
(3) 区内中小企業の体力強化と成長戦略について
(4) 葛飾区の観光施策について

本文を読む

お許しをいただきまして、私は、自由民主党議員団を代表いたしまして、区長の所信表明を受け、さきの通告に従い、区長並びに関係部長に対して質問を行うものであります。 
 質問に先立ち、今月22日にニュージーランドで発生した大地震は、地震国である我が国日本では他人事ではなく、被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げるとともに、いまだ安否不明の方がいっときも早く救助されることを心からお祈り申し上げます。 
 さて、まず初めに、平成23年度予算編成について質問をさせていただきます。 
 景気の状況は、区長の所信表明にもありましたが、内閣府が2月に出した景気ウォッチャー調査の中でも、家計動向では大雪や寒波の影響、また、家電エコポイント制度の変更に伴うテレビ等の販売の落ち込みがあるものの、初売りやセールで売り上げが好調なことや、企業動向では海外から受注がふえていること、さらに、雇用動向においても求人数が増加し、一部の製造業務に加え事務系の派遣求人にも回復が見られることが報告されており、また同時に、先行き判断も、3月末のエコポイント終了前の駆け込み需要が予想されることなどから持ち直しの動きが見られるとまとめられておりました。
 しかし、同じ内閣府から発表された国内の成長率は、5四半期ぶりにマイナス成長となり、さらに、回復が見られるとはいえ依然厳しい雇用情勢、最近の不安定な中東情勢から来る原油価格の高騰など、海外経済の下振れ懸念、同時に国内景気の下振れリスクなどが想定され、不透明な状況となっています。 
 一方、新年度の国の予算案では、子ども手当の全額国庫負担が叫ばれる中で、その財源の地方への一部負担転嫁が継続されるとともに、財調交付金の原資ともなっている法人関係税の実効税率の引き下げなどの税制改革が行われるなど、今後の地方自治体への財政運営への影響も懸念されているところであります。 
 このような状況の中で、本区の新年度の一般会計予算は、歳入の主要を占める特別区交付金や特別区民税が本格回復しない中、生活保護費の急増や子ども手当の平年度化等により扶助費が急増することにあわせ、国民健康保険や介護保険特別会計などへの繰出金が大幅にふえ、ほとんど義務的な経費に限りある財源を振り向けざるを得ない状況になるだろうとの推測をしておりました。 
 しかしながら、お示しされた一般会計の当初予算では、前年度に比べ178億円ほど、率にして11.7%増と、近年にない積極的な予算が組まれ大変驚いているとともに、財政当局のご努力に敬意を表するところであります。 
 ただ、気になることもございまして、今回の予算では11年ぶりに財政調整基金からの繰り入れを行っております。11年前、私はまだ区議会議員ではありませんでしたが、聞くところによりますと、財政調整基金からの繰り入れが続いていたころの状況は、年度が変わる前に最終補正で不用額をかき集め財政調整基金に一度積み、それを次年度予算の財源としてすぐに活用して財源不足に繰り入れるという、いわば自転車操業的な財政運営を行っていたと伺いました。 
 そして、その手法では、いつ財政再建団体に陥るかもしれないという危機感が、葛飾区の第1次経営改革宣言へとつながり、それによる行財政改革の取り組みが行われ、今日に至っているということでありました。幾ら積極的な予算であっても、以前のように前年度の不用額を積み立てた財政調整基金を当てにした財政運営ということになりますと、いつか来た道に再び陥るのではと気になるところであります。 
 そこで質問いたします。 
 1、平成23年度当初予算では、前年度に比べ178億円ほど、率にして11.7%と近年にない積極的な予算が組まれているが、徐々に回復しつつある国内景気の中で、本区の歳入の根幹をなす特別区交付金や特別区民税はどのように見込まれているのか。 
 2、一般会計予算では、扶助費や特別会計への繰出金が大幅に伸びる中で、どのような調整を行って2桁の伸びとなる積極的な予算が組めたのか。 
 3、今回、11年ぶりに財政調整基金からの繰り入れを行っておられるが、以前のように最終補正で不用額などを財政調整基金に積み立て、それを財源不足に繰り入れるような財政運営を今後行っていく予定なのか。 
 次に、区民本位のサービス向上策についてお伺いいたします。 
 青木克德区長は、今年度、ご自身の基本姿勢である区民第一・現場第一を実現するため、すぐやる担当課を設置するとともに、福祉総合窓口や、はなしょうぶコールの開設といった区民本位のサービスを矢継ぎ早に実現されました。住民票や印鑑証明のコンビニ交付サービスも、その一環と言えるでしょう。区民の方へのおもてなしの心を持って、すぐ聞く・すぐ行く・すぐ対応を実践するためのすぐやる担当課、高齢・障害・介護分野のサービスにおいて、相談や届出・申請手続を、迷わず、動かず、待たずに1カ所で済ませることができる福祉相談窓口、あるいは専門のオペレーターが区民のお問い合わせに一元的に回答するコールセンターなど、いずれもこれまでの葛飾区にはない、新たな事業展開であります。 
 これらの区長を先頭とした区の姿勢は、多くの区民の目にとまっており、高く評価する声をよく耳にいたします。区長も職員の先頭に立って、機会あるごとに新サービスのPRに努めておられ、区民は明らかに、民間企業にも負けずとも劣らないお客様本位の視点で区民サービスが展開していることを実感しております。私たち自民党議員団は、さきの区長選で青木克德区長を推薦し、応援したわけでありますが、新たな区民サービスに対する区民からの賞賛の声を耳にするたび、私たちの選択は間違っていなかったと改めて感じるところであります。そして、区長におかれましては、区民本位の姿勢を忘れることなく、今後もさらなる区民サービスの向上に取り組んでいただきたいと願うところであります。 
 そして、現在は評価を得ている区民サービスにおいても、いっときの評価に満足し立ちどまってはならず、不断の行政改革が必要であります。新たに始めたサービスも、常にPDCAサイクルの視点を忘れず、さらに効率のよいサービスに努める姿勢が必要です。葛飾区中期実施計画を支える第2次改革パワーアッププランにも、区民本位の区役所改革の推進が掲げられており、区民本位で質の高い新たな区民サービスを着実に展開していくことこそが、本当の区役所改革であると考えます。多くの区民が利用する行政改革の利便性を向上させることは、区民満足度を高めることにつながり、ひいては葛飾区全体の評価を高めることにつながるものと期待しております。そのため、今後とも、絶えず区民へのサービス提供の仕組みを見直しながら、区民本位、現場第一の視点で、きめ細やかで質の高いサービスを、より一層拡充していく必要があると考えているところであります。 
 そこでお伺いいたします。 
 1、青木克德区長は就任後、区民がはっきりと実感できる形で区民本位のサービス向上策を展開されているが、これまでに実現した区民本位のおもてなしによる新たなサービス提供の仕組みづくりにおいて、特に配慮した点や工夫を凝らした面は何か。また、今後のさらなるサービス向上策の展望についてのお考えをお聞きしたい。 
 2、平成23年度予算において、区民本位の視点で取り組んだ区民サービス提供に当たっての改善点があればお聞きしたい。 
 次に、区内中小企業の体力強化と成長戦略について伺います。 
 先ほども述べましたが、景気の状況に改めて触れさせていただきますと、日銀が1月に発表した金融経済月報では、改善の動きに一服感が見られるとしていたものを、今月は、景気の現状を改善のテンポの鈍化した状態から徐々に脱しつつあると、2010年5月以来9カ月ぶりに判断を引き上げ、さらに今後の先行きについては、景気改善のテンポの鈍化した状況から脱し、緩やかな回復経路に復していくとの見通しを示しました。 
 また、政府も1月の月例経済報告では、景気は足踏み状態にあり、一部に持ち直しに向けた動きが見られるが、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にあるとしていたものを、今月の月例経済報告で、企業の生産や輸出の持ち直しが鮮明になっていることから、景気の基調判断を上方修正する方針を固めたとのことであります。 
 一方、葛飾区の状況はどうでありましょうか。葛飾区の中小企業の中には、これまでに葛飾町工場物語でストーリー性豊かに漫画や記事の中でPR、紹介されているとおり、非常にすぐれた製品や部品を生み出している企業が数多く存在するわけでありますが、急激なアジア新興国特需の恩恵を受けている企業は一部で、全体的にはまだまだリーマンショックや昨年の夏からの円高による影響が続いており、依然厳しい状況にあると言うことができると思います。 
 昨年、葛飾区では、こういった経済状況の中、厳しい経営環境にある区内中小企業を資金面から下支えするため、区独自の緊急経済対策を取りまとめ、先手を打って実施されました。 
 その内容としては、セーフティ保証5号認定を受けた指定不況業種約5,600社の方を対象に、融資のあっせん、信用保証料の補助、利子補給を行い、設備投資関連融資の本人負担利子を軽減したものでありました。その結果、過去2年間の、中小零細企業の多い墨田区・江東区・足立区・江戸川区を加えたいわゆる江東5区の中で、企業倒産を最も少ない水準に抑えたのであります。 
 具体的な数字を申し上げますと、東京商工リサーチによるデータでは、過去2年間の企業倒産件数は、墨田区164件、江東区143件、足立区196件、江戸川区155件に対し、葛飾区は最も少ない126件でありました。 
 また、平成22年の1年間だけを見てみましても、葛飾区内の企業倒産件数は57件と前年比17.3%の減となり、23区平均の11.7%減と比較しても、これまでの取り組みが功を奏していることがうかがえます。 
 そして、同時に、国や都の産業経済対策の動向に注視しながら、新・元気を出せ商店街事業などを拡充し、積極的に区内の商店事業者などの経営を支援してこられたことも、一定の効果が出ていると考えます。 
 こうした緊急経済対策の実施に当たって葛飾区当局が区内産業団体と緊密に連携し、積極的な情報交換などを行ってこられたことに心から敬意を表します。 
 ただ、平成23年度では、セーフティネット保証5号認定について、これまで不況業種の対象となっていた業種が82業種だったものが、4月から不況業種の対象から除外されるものが出てまいりまして、1月28日付の経済産業省中小企業庁の発表によると、対象業種は48業種と34業種減ることが示されました。製造業、卸売・小売業あるいは洗濯・理容・浴場業などのサービス業、飲食店などが除外される主なものですが、中でも葛飾区の主力分野の一つであるプラスチック製品製造業が、これに含まれているのが気になるところであります。 
 このような状況をかんがみますと、今後はこれまでの資金繰り支援を中心とした緊急経済対策から、区内の工業・商業・農業従事者に対して、販路拡大や売り上げ拡大につながる企業の体力強化策を講じる時期に来ていると考えるのであります。このことは、区だけ、あるいは産業団体だけでできるものではなく、官民一体となった葛飾区の産業経済の成長を促す、いわゆる総合的な産業経済成長戦略が必要なのではないかと考えるところであります。
 そこで質問いたします。 
 1、国レベルでは、日銀の先行き見通しにもあるように、今後、景気は持ち直し経済成長の好循環に向けたさまざまな動きが見込まれておりますが、葛飾区においては、来年度の予算の中でどのような区内中小企業の体力強化策が講じられているのか。 
 2、今後、国全体の景気好循環の新しいステージに向かって、葛飾区においても、これまでの資金繰り支援を中心とした経済対策から、工業・商業・農業従事者の販路拡大・売り上げ拡大の総合的な産業経済成長戦略を打ち立て、官民一体となって葛飾区の産業経済の成長を推進していく必要があると思うがどうか。 
 次に、葛飾区の観光施策について伺います。 
 2月19日現在594メートル、完成時には電波塔としては世界一の634メートル、建造物としてはアラブ首長国連邦ドバイにあるブルジュ・ハリファに次ぐ世界2位の高さとなる東京スカイツリーが、いよいよ開業まで1年となりました。本日は雨になってしまい変更になっているかもしれませんが、スカイツリーのホームページには、本日2月28日600メートルを超える予定であるということも載っておりました。既にこれまでも、我が会派のみならず、各会派、各区議会議員からスカイツリーに関する質問が幾度もされており、この事業は葛飾区への影響はもちろんのこと、東京の観光の中心軸を下町と言われる東東京へと大きく移すであろうと思われるほど大きなものであります。 
 先日、葛飾区議会でも全員協議会として視察に訪れ、間近でその進捗状況を目にしてきたばかりであります。スカイツリー視察に先立って立ち寄った墨田区役所においても、スカイツリーを含めた開発街区を訪れる観光客は、現在の浅草を訪れる年間観光客の2,000万人を上回る年間2,500万人と見積もっているとの説明を受け、その規模の大きさに改めて大きな驚きと期待を抱いたところであります。浅草は日本の観光客のみならず、日本を代表する観光地として世界に発信されており、スカイツリーには東アジアを中心とした外国人観光客も、さらに多く集まってくることでしょう。開業当初はスカイツリーには観光客が集中し、長蛇の列ができ、何をするにも時間がかかって、他地域へ足を伸ばす余裕がないかもしれません。しかし、インターネットの中では、過去に建設された観光タワーや観光施設としてのテーマパークは、オープンして時間がたつにつれ、その価値の低下・陳腐化により入場者数が減少し、入場者の安定的な確保には巨額の再投資や付加価値が必要になることを既に指摘しているものもあります。 
 現在、観光客の主たる目的はスカイツリーであっても、葛飾が持つ観光資源は付加価値と呼ぶ以上の内容があり、周辺観光地としてでも観光客の目にとにかくとまれば、興味を持って訪れていただける場所であると考えております。この葛飾区の持つ観光資源としての魅力を、スカイツリーが注目されている今だからこそ、時期を逸することなく発信してほしいと思うのであります。昨年の第3回定例会において、我が会派の梅沢議員が、観光対策の一環として、区を挙げて各種の施策に取り組める体制をつくる時期が来ていると提案をさせていただきましたが、観光客誘致に向けた観光施策の立案・遂行強化は、今確かに我が区に必要であります。 
 幸いなことに、現在、テレビ・新聞などに葛飾区の観光資源が取り上げられていることが多く感じられます。昨日2月27日の新聞には、こち亀両さんのそっくりコンテストの記事が載っておりました。同時に地元亀有の商店街では、当初用意した両さんの貯金箱300個、ストラップ700個が全国からのこち亀ファンによって買い求められ、在庫が底をつき、急遽貯金箱500個、ストラップ1,000個を増産したという記事も見られました。この現象は、かつて視察に訪れた石川県輪島市にあった永井豪記念館で、ゴールデンウイーク中に訪れた多くのファンによって人気グッズの多くが完売になっていたことを私に思い出させました。 
 また、お正月番組でも柴又を取り上げた番組が数多く見られ、さらに今週木曜日、3月3日には、NHK午後8時のゴールデンタイムの新感覚ゲームクエスタという番組の中で、東京下町散歩、柴又寅さんが残した感動の贈り物と題して柴又が他の地域とともに取り上げられ、全国に発信されるそうであります。その回には、先日新聞にも数多く取り上げられた、本年1月の金町消防署による文化財防火訓練において、帝釈天題経寺に寅さんの格好でバケツリレーをして水をかけた金町在住の野口よういちさんという方が案内役で登場するということも耳にしており、このように今マスコミは好意的に葛飾区の観光資源に注目してくれている状態と言える環境にあります。 
 それは、これまでの観光施策の取り組みも功を奏していると思いますが、着実に積み重ねてきたこれまでの取り組みも改めて見直し、これまで以上のPRをすべきと考えます。重ねて申し上げますが、この好機を逃さず、日本人のみならず外国人観光客をも巻き込んで葛飾区の観光が大いに盛り上がることを心から願い、それに向けた区の取り組みを期待しているところであります。 
 そこで質問いたします。 
 1、来年の春に迫った東京スカイツリーの開業を見据えて、我が会派からも区を挙げて各種の施策に取り組む体制をつくる時期が来ているとの提案をさせていただきましたが、その後どのように検討されたのか。 
 2、平成23年度は、東京スカイツリーからの観光客誘致に向けた取り組みをしっかりと準備する年でもあると思うが、具体的な誘致策をどのように展開していくつもりなのか。 
 3、また、これまでの観光施策の取り組みも情報発信を強化すべきと思うが、具体的な取り組みを検討しているのか。 
 最後に一言申し上げます。青木区長におかれましては、これまでの区民本位、現場第一という原点を忘れることなく、区政運営に取り組んでいただくことを切に要望いたします。その原点を忘れない限り、我々自民党議員団はできる限りの支援・協力を惜しみなくすることを約束いたしまして、質問を終了させていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手) 

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